発信がブレている会社や人に共通する特徴
いつもありがとうございます。
ブランディングの力で経営課題を解決する社外ブランド・マネージャー、
エイドデザインの渡部(わたなべ)です。
日々様々な発信に触れていて「この会社(人)の発信、ブレているな」と感じることってありませんか?
発信がブレているということは、一貫性が保てていない状態。たとえいくらお金をかけた発信でも、それはブランディングにはなりません。
いいえ。ブランディングにならないどころか、そのまま放置しておくとブランドの毀損につながる危険な兆候でもあります。
実は、発信がブレれている会社や人には「共通する特徴」があるのです。
今日は「発信がブレる会社や人に共通する特徴」と「その解決方法」をセットにしてお届けします。
1. 発信がブレているということは?
結論からいうと、発信がブレる原因は軸が定まっていないからです。
樹木でいえば根っこがない状態、家でいうと基礎を打っていないようなもの。
そのような状態だと強い風が吹いたり、大きな地震がくるとあっけなく倒壊してしまいます。
それと同じように、軸が定まっていなければ外部環境が大きく変化した時に耐えられなかったり、目新しいネタがあればあっちにフラフラ、こっちにフラフラと目移りしたりします。
そんなことを繰り返している内に自分自身が「どうしたいのか」が分からない状態に陥ってしまうのです。
これを解決するには、しっかりとした軸を持つしか方法はありません。
では、軸を持つとなぜブレなくなるのでしょうか?
次の図をご覧ください。
これは私がトレーナーとして所属している(一財)ブランド・マネージャー認定協会で使用している戦略ピラミッド図と呼ばれるものです。
ブランドに関わる各戦略をこのようなピラミッドで整理しています。
戦略ピラミッド図ではまず土台に「経営理念」があり、それを実現するためヒト・モノ・カネ・情報を整理した「経営戦略」があります。
さらにそれを顧客にフォーカスした「マーケティング戦略」、そして顧客に伝えるための「コミュニケーション戦略」という順に戦略が構成されています。
これら戦略を土台から一貫性を持って設計することが「ブランド戦略」なのですが、各戦略の軸となるのが土台にある「経営理念」です。
そもそも「経営理念」が明確でないと、その後に続く「経営戦略」はただお金を稼ぐための場当たり的な戦略となり、おのずとその先にある「マーケティング戦略」や「コミュニケーション戦略」がブレてきてしまいます。
これは当然の話ですよね。
すべての判断基準となる軸がお金(売上)だけであれば、何か儲けられそうなネタがあればすぐに食いつきますし、そもそもお金を稼ぐことだけが正解になっている訳ですから。
2. パーパス+MVVを描くタイミング
解決策はブランドの軸となる経営理念を策定することです。
もちろん、経営理念だけでなくパーパスやMVVも設計されると、その軸はより強固なものとなります。
ただ、起業当初からすべてが必要なのかというと、そこはケースバイケースでしょう。
なぜなら、起業してからしばらくは事業を軌道にのせることが命題ですし、そもそもその時期だと自社の存在意義や使命に気付けない方の多いからです。
そんな時にパーパスやMVVをつくっても意味はありません。
ただ、事業をある程度の所まで成長させていくと、必ず踊り場に出てしまいます。
その時、お金(売上)以外の軸を持っていないと、発信がブレたり、社員が定着しなかったりして、中々そこから脱することができないのです。
そもそも、お金(売上)だけを追っている会社を応援したいと思う人はいないと思います。
ですので、経営理念、パーパス、MVVを考えるタイミングとしては、成長の踊り場に出たとき、創業10年や20年などの周年のタイミングがベストです。
もちろん過去に十分な経験があって起業される場合だと、最初からパーパスやMVVを設計されてもいいでしょう。
3. 横文字は言葉の定義がややこしい
ブランド、ブランディングという言葉もそうですが、パーパスとかミッションとか横文字の言葉は解釈が難しいですよね?
「パーパスはこういう意味が正解」というつもりはありませんが、言葉は定義しないと正確に活用することができません。
次に私なりのパーパスとMVVの定義を図解で説明しています。
まず、パーパスは「なぜ自社は存在しているのか?」という「ブランドの存在意義」。図でいうと弓矢を持っている人間そのももがパーパスです。
次にミッションは「そのために何をおこなうのか?」というブランドの使命。図でいうと一番右の的がミッションです。ここではパーパスを実現するために何をおこなうのかを考えます。
命を使うと書いて使命という言葉どおり、自分が生きているうちに成し遂げられるかどうかという長期的な目的を設定します。
この時、パーパスとミッションの距離が離れているので、その間におく道しるべとしてビジョンを設定します。
「そのために自社はどう在るべきなのか?」というブランドのあるべき姿と達成の可否が分かる目標を描き、達成されればよりミッションに近づく高度なビジョンに更新していくイメージです。
そして最後に「どのようにすればミッションに到達するのか?」という具体的な行動基準をバリューとして定めます。
これはクレドや行動指針として運用することが多いです。
4. エイドデザインの例
僭越ながら、たとえば私の場合だと「応援される会社や人をデザインする」というコンセプトと「正直者が馬鹿を見ない社会をつくる」という思いを持って起業しました。
そこから試行錯誤を繰り返し、今では次のように定義しています。
・経営理念…応援される会社や人をデザインする
・パーパス…正直者が馬鹿を見ない社会をつくる
・ミッション…ブランディングの力で真面目、本気、一生懸命な人の突破口を拓く
・ビジョン(あるべき姿)…夢を目標に変える伴走者
※数値目標は控えさせていただきます。
ちなみにバリュー(行動指針)は、クレドカードにして携帯しています。
自分ではこれらを軸に定めていることで、ブレずにブランディング活動をしてきたと思っています。(ここブレてるよ、という部分があれば改善するので、ぜひ教えてください)
ただ、「これで完璧か?」と問われると、まだまだ未完成だと自覚していますし、もしかすると今後もっと伝わりやすい言葉に見直すかもしれません。
実際に何度か手を入れています。
しかし言葉の表現を変えたとしても、「応援される会社や人をデザインする」「正直者が馬鹿を見ない社会をつくる」という根本的な思いは決してブレることはないです。
なぜなら、パーパスやMVVは生き様そのものだからです。
5. パーパスやMVVを定めるメリット
パーパスやMVVで自社の軸を定めておくと、商品開発や組織改編、自己研鑽を促すときの起点となり、それらに取り組む理由が明確になります。
パーパスやMVVで宣言しているので、やらなくちゃいけないなという感じです。
また、ブランディングの観点から考えても大きなメリットが二つあります。
一つはパーパスやMVVは、自社の思いやヒストリー、そして世界観を元に形作られるのでそれそのものに独自性があり、唯一無二の差別化(差異化)ポイントになること。
特に今の時代、ブランドの思いが強く求められています。
そしてもう一つは、パーパスやMVVがあることで経営者やスタッフの自律を生み出し、ブランディングが加速することです。
ブランド戦略はパーパスから一貫性を持って設計されているので、パーパスやMVVに則った活動であれば基本的にそれはブランディングをしていることになります。
また、経営者は誰からも叱られない立場なので、ともすれば脱線しそうになることも…。
そんな時、パーパスやMVVがあることで自らを正しい方向へ導いてくれる羅針盤となるのです。
「最近、発信がブレているな…」「成長の踊り場から中々抜け出せていないな…」と感じている方は、一度戦略の土台を見直されてみてはいかがでしょうか?
時間は掛かりますが、目に見えない部分に劇的な変化をもたらします。
この目には見えない部分こそ、競合にマネのされない唯一無二の価値となります。
作り方が分からないという方は弊所までご相談ください。全力でサポートいたします。
今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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