パッケージデザインの前にすべきこと
こんにちは。
夢を目標に変えるブランディングパートナー、エイドデザインの渡部(わたなべ)です。
先週、小規模持続化補助金を活用した新たなプロジェクトのご相談をいただきました。
当初はパッケージデザインに関するご相談でしたが、お話を進めていく上でブランディングも含めたサポートをさせていただくことになりました。(もちろん、採択されればのお話です)
ご相談いただきましたSさま、ありがとうございました。
さて、パッケージと言えばこのような面白い話があります。
1. あるアーティストの大いなる実験
ニューヨークに住んでいるアーティストが、友人からパッケージデザインの重要性を見くびられ、憤慨したそうです。
ただ、憤慨して終わらないのが、そのアーティストの面白いところ。
彼の名はJustin Gignac(ジャスティン・ジニャック)。
ジャスティンは友人の言っていることが間違いだと証明するため、またパッケージさえ良ければ中身は何でも売れるというのを実証するため、ある実験を行いました。
それはデザインしたパッケージの中に【あるもの】を入れ、売れるかどうかを試したのです。
その中身は何だと思われますか?
・・・
・・・
・・・
(出典:NYC Garbag)
2. 中身は身近に落ちている○○
それは、自分たちの住む街・ニューヨークに落ちていたゴミ。
そのゴミをパッケージングして50~100ドルで販売したところ、これまで1300個以上売れたそうです。
実際に売られているサイトはこちら。
この話。上澄みだけをすくい取れば、
「パッケージ(デザイン)さえよければ中身は何だって売れるんだ!」
「デザインってすごい!」
という結論に陥りがち。
もちろんパッケージが良くなければ商品は売れませんし、私自身、デザインの力を信じている一人です。
ただ、断言しておきます。
パッケージやデザインで売ることはできても、売れ続けることはできません。
ここで着眼していただきたいのは【ゴミの正体】です。
先程のサイトをご覧いただけると分かりますが、そのゴミは【オバマ大統領就任式】や【タイムズスクエアの大晦日】で出たゴミ。
つまり、ただのゴミではなく、ゴミ自体に意味があり、その意味を感じ取れる人にとってはそれはゴミではなく、れっきとした価値ある商品なのです。
(ここ、すごく重要なポイントです)
(出典:NYC Garbag)
たとえばここに形がいびつなキャベツがあるとします。
値段は相場のおよそ1.5倍、1玉400円ほど。
おそらくこの情報だけでは買われる方は一人もいないでしょう。
しかし、このキャベツが化学農薬を一切使わずに栽培したキャベツだといかがでしょうか?
少しは買う人が出てくると思います。
さらに、このキャベツ。
実は、43年間キャベツだけを作り続けたベテラン農家の大崎さんという方が、ようやくたどりついた化学農薬を一切使わない【奇跡のキャベツ】なんです。
人が食べて美味しいものは虫も知っています。
いえ、虫の方が【安全で美味しいキャベツ】を知っているのです。
だから大崎さんの畑には虫が多く、毎日手作業で駆除しているので、かける手間暇は通常のキャベツ2倍以上。
しかも、作付け量を1/3にまで落として栽培しています。
形がいびつなのは、虫食い部分を一つひとつ手で摘み取っているため。
でも、そのキャベツの味の濃さと甘さはもう例えようがないくらい【奇跡の味】なのです。
…と、このように【いびつな形】と【価格】の意味づけすると、その価値が伝わりやすくなります。
(ちなみに大崎さんのくだりは私の作文です)
3. デザインやパッケージの前にすべきこと
前述のNYC Garbage(ニューヨークのゴミ)でも、おそらくその辺に落ちているゴミではいくらパッケージがよくても50ドルや100ドルを出してまで買わないでしょう。
つまりポイントは、ゴミであろうと何であろうと意味づけから始まるということです。
では、意味づけするとどうなるのか?
選ばれます。
その意味や意義を価値に感じる人から選ばれ続けるのです。
デザインやパッケージには、確かに商品やサービスをより良く見せる効果があります。
しかし、その前にしなければいけないのは、その商品やサービスが持つ意味を読み解き、意味づけし、その意味に価値を感じてくださる方を選定すること。
それこそがブランド、ブランディングのスタートなのです。
今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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