人が動けない理由はたった一つ
▼あなたに質問させてください。
『これをやると上手くいきそうだなあ』と頭で考えて思い付くことはないですか?
一方で
『これやってみたいなあ』とか
『これをやると楽しそうだなあ』と
心で感じることはないですか?
でも、実際に行動しなかった、動かなかったという経験はないでしょうか?
私はあります。
今日はその理由についてのお話です。
▼動けない理由はたった一つ。
結論からお話すると、動けない、あるいは動けていないのは、頭で考えていることと心で感じていることが一致していないためです。
頭で考えていることと、心で感じていることが一致していれば、肚(はら)にストンと落ちて行動に結びつきます。
図解するならこんな感じです。
頭 ─ 心 ─ 肚(はら) → 行動
頭で考えていること(知性)と心で感じていること(感性)が一致すれば、肚(感覚)に伝わり、行動に結びつきます。
いわゆる、腹落ちするという状態です。
▼では、知性と感性を一致させるためには何から始めればいいのでしょうか?
まずは、それらをメタ認知することから始めてください。
メタ認知とは、『自分が物事を認知している状態を客観的に把握していること』を指します。
つまり、知性と感性を『見える化』させるのです。
要は『言語化する』こと。
知性と感性を言葉に変換することで自分だけでなく、誰もが目で見ることができるので、齟齬なく客観的に捉えることができます。
また、人はその時その時に起こることに心を動かされ、考えていることや思っていることが微妙に変わります。
あなたもそんなことはないでしょうか?
▼水面に映る景色は風が吹くと揺れてカタチを変えます。
言語化は写真を撮ることと同じでその瞬間の景色を固定して記録できます。
記録できるということは客観的に捉えることができるので、それら二つの共通点を探索し、つなぎ合わせることが可能です。
また、他者に意見を求めることもできるでしょう。
『なぜ、それをしたいのか?』
『それをするとどうなるのか?』
『本当はなにをしたいか?』
そんな問いを投げかけ、言葉に磨きをかけることで肚落ちし、最初の一歩が生み出されるのです。
▼これをブランド化で考えてみます。
頭(知性)は『自社はこうあるべき』という論理的な思考です。
ときに売上、ときに利益など、ロジカルで定量的なものを追求します。
一方、心(感性)は『自社はこう在りたい』という情緒的な思考です。
ときに理念、ときに理想など、エモーショナルで定性的なものを追求します。
多くの場合、
『こう在るべき(Should be)』と
『こう在りたい(Want to be)』はVS、
いわゆる対立構造で考えがちです。
ここを整理しないとブランド化することはできません。
▼整理というより、知性と感性に統合性を持たせるのです。
統合性とは矛盾やズレがなく、ぴったりと一致して辻褄が合っていること。
もう少し平たい言葉でいうと一貫性を持たせるということです。
頭で考える『知性』 と、
心が動く『感性』と、
肚で感じる『感覚』が一致したとき、人は納得して動くことができます。
つまり、ブランド化は、知性と感性を言語化することで統合性を持たせることが可能になり、その結果、誰もが感じ取れるそのブランド独自の『人を突き動かす言葉』を手にすることができるのです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
PS.
『考えるより、感じる』というと、ブルース・リーの「Don’t think, feel!」という言葉を思い出します。
私の大好きな言葉であり、映画『燃えよドラゴン』の名台詞でもあります。
実はその後のセリフも示唆に富んだものなのです。
『考えるな、感じろ!これは月を指さすのと似ている。月を指す指にばかり気を取られていると栄光(月)を見失う』
ブランディングの文脈でいうと『月』は理念、『指』は方法論です。
方法論や見せ方に気を取られていると、肝心の理念を見失ってしまいます。
そうならないためには、誰もが感じ取ることができるそのブランド独自の言葉、『人を突き動かす言葉』こそがブランド化だけではなく、理念の実現にもつながってくるのです。
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