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市場機会を決める時に大切な考え方

ブランド戦略サポート

いつもありがとうございます。

 

ブランディングの力で経営課題を解決する社外ブランド・マネージャー

エイドデザインの渡部(わたなべ)です。

 

 

先週末、顧問先さまのブランド戦略研修で「市場機会」について考えていただきました。

 

 

【市場機会】とは端的に言うと自社にとってのチャンスの場のこと。

 

自社が提供できる価値の中でも特別な価値のことを市場価値といいますが、その価値がフィットする場所のことを指します。

 

 

ブランド戦略を策定する時に「なぜ市場機会を決めなければいけないのか?」

 

今日はこの点についての説明と【市場機会】を決める時に大切な考え方について、少し深掘りしてお伝えしたいと思います。

 

 

 

1. あなたなら何を基準に選ばれますか?

 

【市場機会】は3C分析で考えていただくと分かりやすいです。

 

 

3C分析とは、自社(Company)、競合(Competitor)、顧客(Customer)という3つの視点を分析する方法で、事業計画やマーケティング戦略を策定するときに用いられます。

 

 

それぞれの頭文字のCをとって3C(スリーシー、さんしー)分析と呼ぶのですが、見ていただきたいのは図の色がついた部分

(研修で使用している実際のスライドを使っています)

 

 

真ん中の赤色部分は、顧客のニーズがあり、競合が提供でき、自社も提供できるゾーン。

 

そしてその下の青色の部分は、顧客のニーズがあり、自社だけが提供できるゾーンです。

 

 

 

ここから例を出して説明します。

 

ここにある農家が育てた減農薬のリンゴがあります。

 

 

このリンゴは、あなたの家の近くにあるスーパーA店とB店で取り扱っています。

 

同じ農家から卸されているのでリンゴの品質は同じ。また、家からA店とB店までの距離はほぼ同じです。

 

 

 

さて、あなたがこの農家のリンゴを欲しいと思ったとき、A店とB店の何を基準にして選ばれますか?

 

繰り返しになりますが、リンゴの品質は同じ、買いに行くお店までの距離も同じです。

 

 

・・・

 

 

・・・

 

 

・・・

 

 

おそらく品質が同じであれば、チラシに掲載されている価格を基準にして選ばれるのではないでしょうか?

 

 

そうなんです。

 

この赤色の部分は、顧客のニーズがあり、競合が提供でき、自社も提供できるため、価格競争(BtoBであれば相見積もり)が非常に起こりやすい危険なゾーンなのです。

 

 

 

 

2. 新しい○○を伝えることで選択が変わる

 

それでは、先程のスーパーA店とB店について補足の情報をお伝えします。

 

 

スーパーA店は農家から卸されたリンゴをそのまま店頭に並べて売っています。

 

 

一方、スーパーB店は農家から卸されたリンゴを一つひとつ検品し、キズがあるリンゴは店頭には並べません。

さらにリンゴの皮に付いている微量の農薬を完全に除去するため、重曹水に10分程度つけ込んだ上で販売しています。

 

 

 

では、この情報を知った上で質問です。

 

あなたならどちらのお店のリンゴを選ばれますか?

 

 

・・・

 

 

・・・

 

 

・・・

 

 

 

おそらく選ばれたのはB店のリンゴだと思います。

 

つまり、顧客のニーズに合った新しい価値を伝えたことで、B店のリンゴは赤色から青色のゾーンに移動したのです。

 

 

顧客のニーズがあり、自社だけが提供できるこの青色のゾーンこそが【市場機会】です。

 

 

選ばれ続けるブランドになるためには、競合が提供できない価値を見つけなければいけません。

 

なぜなら自社も競合も提供できるということは、価値のコモディティ化(同質化)が起こってしまい、購入の判断基準は価格だけになってしまうから。

 

 

そうならないためには、まず自社の強みと弱みを棚卸しし、競合の強みと弱みを調べ、さらに顧客(市場)のニーズを合わせ見ながら、自社が進むべき【市場機会】を決めなくてはいないのです。

 

これがブランド戦略において【市場機会】を決めなくてはいけない理由です。

 

 

 

3. 市場機会には正解、不正解はない

 

これまで多くの企業のブランド戦略に関わる中で、様々な【市場機会】に触れてきました。

 

 

ブランド戦略では【市場機会】を元にして、

 

この市場にいそうな人はどのような層なのか?(セグメンテーション)

この市場を価値に感じてくれる人は誰なのか?(ターゲティング・ペルソナ設定)

その人の中で自社はどのような独自性を発揮しているのか?(ポジショニング)

 

これらを順番に設計していくため、最初の【市場機会】がズレてしまうとカッターシャツの第一ボタンを掛け違えるようにその後のすべてがズレてしまうのです。

 

 

今日はこの【市場機会】に迷われた時の考え方をお伝えします。

 

 

まず、【市場機会】には正解・不正解はありません。

 

成功しやすい【市場機会】のポイントとして、「市場の拡大が見込める」「自社の強みが発揮できる」「自社より強い競合がいない」などがありますが、これらを鑑みた上でも複数考えられるという場合も少なくありません。

(…と言うか大抵の場合、複数の【市場機会】が考えられます)

 

 

 

たとえば、新しいスイーツ事業を立ち上げる場合、

 

「高ビタミンD・高タンパクを配合した高齢者向けスイー市場」

「小麦アレルギーの子どもにも食べさせられるグルテンフリーのスイー市場」

「人にも地球にもやさしいエシカルスイー市場」

 

など、いくつかの【市場機会】が考えられます。

 

 

いずれの【市場機会】も「市場の拡大が見込める」「自社の強みが発揮できる」「自社より強い競合がいない」のであれば、ぜひ立ち返って考えていただきたいことがあります。

 

それは・・・

 

 

 

「なぜこの事業に取り組もうと思ったのか?」です。

 

それはミッションやビジョン、企業のパーパス、もしかするとあなたが持っている信条や思いかもしれません。

 

 

言い方を変えると、あなた自身が「どうしたいのか?」ということ。

 

 

 

 

ブランド戦略では「どうすべき」より「どうしたい」という思いが大切になります。

 

なぜなら、ブランドは継続(日々の積み重ね)無くしてできないからです。

 

 

積み重ねるのはブランドに関わる人たち。すなわち、ブランドに関わる当事者の意思と覚悟がないとブランディングなどできるはずがないのです。

 

 

ですので、あたなが【市場機会】を決めるときに迷っているのであれば、私はこう問いたいです。

 

 

「本当はどうしたいのですか?」

 

 

答えはあなたの根っこの部分にあるのです。

 

 

今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

 

 

〜追伸〜

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