ブランドは伝統を守り、変化しないこと?
いつもありがとうございます。
ブランディングの力で経営課題を解決する社外ブランド・マネージャー、
エイドデザインの渡部(わたなべ)です。
これまで多くのオーディオファンを虜(とりこ)にしてきた名門企業「オンキヨー」が破産手続きの開始決定を受けて1ヶ月が経ちました。
「長年愛用していただけにとても悲しい」
「いい音にこだわる人が少なくなったのか」
「技術力あるのにもったいない…」
SNSではオンキヨーの破産を驚いたり惜しむ声が相次いだそうです。
実際、私が学生の頃にはミニコンポが流行っていましたが、オンキヨーブランドは憧れの的でした。
そのとき買えなかった反動から、自宅を建てた時にオンキヨーのシアターシステムを真っ先に購入した位です。
1. オンキヨー凋落の原因
オンキヨーの凋落の原因はいくつかありますが、大きな要因は市場の変化についていけなかったことが挙げられています。
アップルのiTunesがアメリカでスタートしたのが2013年。
それまでCDを買って自宅のコンポで聴くという常識が一気に書き換えられました。
このような外部環境の変化は年々加速しているように思います。
ただ、昨日まで常識だったことが今日になって突然書き換えられる…そんなことはありません。
たとえば、法改正などの政治的環境要因にしても発表から実効までの期間がありますし、特にテクノロジー(技術)の場合は業界を取り巻く兆候を分析していればある程度のトレンドを予測することができるしょう。
ただし、分析できたとしてもそれを実行できるかどうかは別の話です。
オンキヨーは確かに音質に関しては一流のブランドでしたが、もの作りや技術力に強いがゆえに陥る罠にはまりました。
2. オンキヨーが陥った罠
それは性能が高い商品を開発すれば、あとは何とでもなるという罠。
市場( = 顧客が欲している)高い性能であれば問題ありませんが、機能や性能に固執した場合、それらが置き去りになることが少なくありません。
つまり、性能を上げる努力はしても、ブランドの提供価値を時代に合わせて変化させないのです。
ブランドは伝統を守り、変化しないこと。
そう思われている方もいるかもしれませんが、実際に生き残っている老舗ブランドは常に変化しています。
たとえばエルメスは元々、馬具を扱うブランドでした。
時代が馬車から車へと変化したとき、移動が楽になるから旅行の需要が増えると分析し、その馬具製作の技術を使って旅行用のバッグを製作。
その後、ファッションアイテムブランドへと変貌を遂げました。
この時、エルメスが馬具にこだわっていたとすれば、今日のようなブランドではなかったでしょう。
3. 相反する概念をひとつにすること
松尾芭蕉が示した「不易流行」という俳諧の理念があります。
その意味は、「不易」いつまでも変わらないものの中に「流行」新しい変化を取り入れること。
オンキヨーでいうと音質や聴きやすさが「不易」だとすれば、それを表現するシーンは無限にあったのではないのでしょうか。
自らの事業における変えない「不易」と時代に応じて変えるべき「流行」。
相反する概念をひとつにすることがブランドが選ばれ続けるファクター(要因)かもしれません。
今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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