ブランドタグラインとは?
いつもありがとうございます。
ブランディングの力で経営課題を解決する社外のブランド・マネージャー、
エイドデザインの渡部(わたなべ)です。
今日はブランドを識別するときに手がかりとなる“ブランドタグライン”についてのお話です。
ちなみに皆さんは“ブランドタグライン”をご存じでしょうか?
たとえば、
「お口の恋人」といえば?
「カラダにピース」といえば?
「お、ねだん以上。」といえば?
ロッテ、カルピス、ニトリという風にブランド名が思い出されますよね。どこにもブランド名が書かれてもいないのにも関わらず、です。
このようにブランドタグラインは、ブランド名を思い出すためのきっかけとなるのですが、ただブランド名を思い起こさせるだけではいけません。
ここから実際の事例をもとに説明していきますね。
コンテンツ
1.キャッチコピーとタグラインの違い
まずは、言葉の定義から入らせてください。
ブランドタグラインのタグは、商品などに付いているタグ(tag)のことで、「認識(区別)する」というような意味があります。
ライン(line)には様々な意味がありますが、ここでは「一節、短信」としておきましょう。
つまり、ブランドタグラインを直訳すると「ブランドを認識するための端的な言葉」となります。
このブランドタグラインと似ているのがキャッチコピーです。
キャッチコピーとは、人の注意を引くための宣伝文句、いわゆる惹句のこと。
これも言葉を「注意を引く(catch)」と「広告文(copy)」に分解すると分かりやすいですよね。
(ちなみにキャッチコピーは和製英語です)
人の注意を引く言葉がキャッチコピー、ブランドを認識するための端的な言葉がブランドタグラインと分けられます。
ただ正直なところ、一目見てこれがキャッチコピーと分かるものもあれば、ブランドタグラインと見分けが付きにくいものもあります。
ですので、キャンペーンや数年単位で変わるものがキャッチコピー、普遍的に使い続けるものがブランドタグラインと憶えておいてください。
2.ブランドタグラインの作り方 〜ブランドの価値整理〜
では、ブランドタグラインはどのようにして導き出していくのか。
昨年ブランドタグライン作成サービスをご依頼いただいた“よけそ農園さま”のケースでご説明させていただきます。
(掲載許可はいただいております)
ブランドタグライン作成サービスでは、最初にブランドの価値整理からおこないます。
このフェーズでは、ヒアリングや参考資料(サイトや会社案内、パンフレットなど)を基に、ブランドの価値要素を抽出していきます。
特に数は決めていませんが、大体50〜100個の間で収まることが多いです。
このフェーズでは、あくまで事実(ファクト)に基づいた情報だけを価値要素として抽出していきます。
そしてそれらの価値要素の中で近いものを集めてグルーピングしていきます。
よけそ農園さまの場合、次の5つのグループに分けることができました。
・価値ある果樹を作り続けるための 土壌と技術力
・手間暇を惜しまない果樹のプロフェッショナルとしての 徹底した品質へのこだわり
・足を止めない、改良を止めない考え抜く力
・「どれを食べても美味しい」と 顧客から評価・信頼される商品群
・地域に根差し、地域を巻き込む アイデアと実行力
3.ブランドタグラインの作り方 〜価値の構造化〜
さらにグルーピングした価値要素の集合体にそれぞれに見出しを付け、機能的価値、情緒的価値、社会的価値という風に価値を構造化していきます。
ここまで価値要素を抽出すると、ブランドタグラインの方向性が見えてきます。
その上で考えたブランドタグラインがこちらです。
弊所では、ブランドタグラインの提案数を特に決めていませんが、基本は3案、多いときは5案を提案することもあります。
今回はA案をベースにブラッシュアップした『果樹のみらいを育てる』という言葉がブランド・タグラインに決まりました。
▼ロゴマークと組み合わせたものがこちら。ちなみにロゴのデザインも弊所で行いました。
4.ブランドタグラインの作り方 〜ブランド・ステートメント〜
その上で、ブランドタグライン作成サービスでは、ブランドが掲げる理念や使命を簡潔な文章として表した“ブランド・ステートメント”を考えていきます。
ここでいうブランド・ステートメントとは、ブランドが掲げる理念や使命を簡潔な文章として表現したもの。
大体200〜300文字程度のストーリーに落とし込みます。
〜よけそ農園さまのブランド・ステートメント〜
果樹のみらいを育てる
和歌山県紀の川市。豊かな土壌と穏やかな気候に恵まれたこの地で、私たちよけそ農園は100年以上に渡り、自然と向き合いながら農業を営み続けてきました。
ときに最先端の栽培方法に挑戦し、ときに時代と逆行した手選果にこだわる。
理想の果樹づくりのため、一切の手間を惜しまず、試行錯誤を繰り返す。
結果はすぐには出ない。それでもなお、1年後、10年後の未来へつながると信じ、ただひたむきに─。
私たちが実現したいのは「農家」だからできることではなく、「よけそ農園」だからこそできること。
自然と、そしてお客様と向き合いながら、より永く、より深く。
私たちはいまも、100年先も理想の果樹づくりを考え抜き、行動する農園で在り続けます。
〜ここまで〜
ステートメントはWEBサイトでこのように展開しました。
ブランドタグライン作成サービスは、簡単に説明するとクライアントが考える一部のフェーズを弊所が代理でおこなうものです。
クライアントにしていただくのは、私とのヒアリング時間の確保(2〜3時間)、資料の準備(会社案内やパンフレットなど)、そして出来上がった内容を確認いただく程度となります。
ただ、弊所が代理で価値抽出をおこなうため、市場における価値が明確になっていない新規ブランドや歴の浅いブランドにこのサービスは向いていません。
しかしながら、すでに市場で価値を提供されている会社(方)であれば、ブランディングの専門家が俯瞰して価値抽出をするこちらのサービスを利用されると、時間を掛けずに精度の高いブランド・メッセージを手に入れることができます。
ご興味のある方は、弊所のお問い合わせフォームからご相談ください。
今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。
〜追伸〜
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