理念やビジョン、コンセプトはなぜ必要なのか?
いつもありがとうございます。
ブランディングの力で経営課題を解決する社外ブランド・マネージャー、
エイドデザインの渡部(わたなべ)です。
経営者やリーダーから解決したい問題としてよく相談されることがあります。
それは、理念やビジョン、コンセプトの浸透。
もちろん、それらを掲げていない組織もあるので、これはある種成熟した組織が抱えている問題とも言えます。
1. 必要だと思っている人と思っていない人
前提として押さえておいていただきたいのは
理念であっても
ビジョンであっても
コンセプトであっても
それらを必要だと思っていない人の方が【圧倒的な多数派】だということ。
仮に世の中の大半の人が理念やビジョン、コンセプトの必要性を理解し、それを信じて行動できるているのであれば、もっと生きがい、働きがいに溢れた楽しい世界になっているはず。
理念やビジョン、コンセプトは経営というレイヤーから離れるほど理解されづらい。
まずはここを押さえておいてください。
※ちなみに経営層ですら理解していない人もいます。
2. なぜブランド・コンセプトが必要なのか?
理念、ビジョン、コンセプト。
今回は私のフィールドのド真ん中であるブランド・コンセプトについてお話します。
理念とビジョンにも通ずるところがあるので最後までお読みいただければ嬉しいです。
ブランド・コンセプトがなぜ必要なのかというと、ブランド戦略を立てる上での判断基準となり、また推進力にもなるから。
私たちは日々、あらゆる戦略や打ち手を考えます。
その過程において判断に迷うことも少なくありません。
そんなときに明確なコンセプトがあると原点に立ち戻って考えることができるのです。
たとえばスターバックスのブランド・コンセプトは「第三の場所」。
「第三の場所」とは、周囲のプレッシャーから解き放たれるための職場でも家庭でもない場所という意味。
その寛いだ雰囲気のなかでテンションを下げる場所こそが「第三の場所」です。
そんなスターバックスは1982年の開店時から全席禁煙を打ち出しています。
今では当たり前かもしれませんが、当時のアメリカの平均喫煙率は40%以上。
当然、禁煙にすると半数近くのお客様を失うことにもなりかねません。
しかし、コーヒーではなく「第三の場所」という空間と時間を提供しているというコンセプトから考えると答えは一つです。
3. フィットさせるべきはオペレーションではない
さらに、スターバックスは2010年までアルコールの提供をしていませんでした。
初期の頃、メニューに関するアンケートを採るとビールなどのアルコールが常にトップにきていました。
しかし、アルコールを出してしまうと落ち着いた空間がパブのような騒がしい場所になってしまい、「第三の場所」というコンセプトが壊れてしまいます。
ここでの大きなポイントは、タバコにしてもアルコールにしても、目先の売上を考えれば効果が期待できるという点。
ことアルコールでいうとオペレーションの大部分が使えるため、シナジー(相乗効果)すら期待できます。
しかし、強いブランドイメージを保つためにはオペレーションとのフィットではなく、「第三の場所」というコンセプトとのフィットを目指さなければいけません。
ですので、アルコールに関してはスターバックス・リザーブなどの9店舗のみの提供とし、一般の店舗では販売していないのです。(ちなみに日本のスターバックスの店舗数は1685店)
4. あてもなく彷徨い続けないためには…
このように数字のロジック(論理)やオペレーションとのシナジーから考えると、一見正解らしく見えるモノがあります。
自分の意思が試されている引っかけ問題です。
ここで間違った判断をしてしまうとブランドの崩壊が始まります。
事実スターバックスが喫煙できる場であれば、居酒屋みたいに騒がしい場であれば、おそらく今まで利用していた人の多くが何も言わずに去っていくことでしょう。
ここまではブランドコンセプトの話でしたが、
理念であれば企業文化や秩序の崩壊、
ビジョンであれば未来が共有されないのでスタッフが本来発揮できる力を使い切ることができません。
つまり、明確な理念やビジョン、コンセプトは迷った時の判断基準になるだけでなく、自分たちが立ち戻る時に確認する北極星であり、それがなければ当てもなく彷徨い続ける可能性があるのです。
あなたには北極星が見えていますか?
今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。
〜追伸〜
ブログに掲載できないようなコアなブランディング情報を、毎週メルマガで配信しています。
今ならメルマガ登録で、【5日間の無料メール講座】と【ブランディング冊子】プレゼント中!
ぜひ、ご登録ください。(解除はいつでもできるのでお気軽に)
お問い合わせ
ブランディング・マーケティングのご質問やご相談を承ります。
どうぞ、お気軽にお問い合わせください。