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下町ロケットから考えるリスクの考え方

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▼先週からTBS系列で下町ロケットのドラマが始まりましたね。

 

最終的には「正義は必ず勝つ!」という予定調和の展開ですが、私大好きなんです、このドラマ。

西郷どんに続き、日曜日の楽しみが増えました。

 

そう言えば、新作を見ていて前作・ガウディ編の印象深いシーンを思い出したのです。

※ドラマを見ていない方は長文ですので、どうかスルーください。

 

▼それは、帝国重工で行なわれていた第4次スターダスト計画の最終連絡会議でのこと。

(※スターダスト計画とは帝国重工が進めるロケット事業)

 

ロケットに必要なバルブを内製化したい帝国重工は、これまで使っていた佃製作所のバルブより性能面で少し劣るものの、NASA出身の椎名社長(小泉孝太郎)が率いるサヤマ製作所のバルブの採用を仮決定していました。

 

その理由は製品供給を望む佃製作所と反し、サヤマ製作所はバルブの共同開発を条件に盛り込んだから。

 

 

▼最終連絡会議では、佃製作所を推す財前(吉川晃司)と敵対する石坂部長が、藤間社長(杉良太郎)と役員の前で、サヤマ製作所との共同開発の正式決定についての確認を進めていました。

 

そこへ会議に呼ばれていない財前が、あることを進言するため会議室に乗り込んできたのです!しかもクビを覚悟で…。

 

その内容は、明日発売される週刊誌の記事についてでした。

誌面には、サヤマ製作所が開発した世界最小最軽量人工心臓コアハートの実験データ偽装疑惑を告発した記事が載っていたのです。

 

▼財前は「サヤマ製作所との共同開発は、性能面での差を補って余りあるものであるが、それは、サヤマ製作所との信頼関係があってこそ。ここに疑義が生じれば、そもそもスターダスト計画は成立しない」と続けたのです。

 

サヤマ製作所から多額のリベートを貰っている石坂部長は、

「こんな週刊誌の与太記事と、NASA出身の椎名社長と一体どちらを信じるのですか!」と藤間社長に詰め寄ります。

 

 

しかし、財前はすぐさま石坂部長にこう返しました。

 

「それは違う。これは単純にどちらを信じるかという比較の問題ではありません。リスクテイクの問題です。

 

このままプロジェクトを進めても、万が一、サヤマ製作所のデータ偽装が真実であると証明された場合、わが社の受ける損害は計り知れない。スターダスト計画は崩壊します」と。

 

・・・

 

結果、藤間社長の経営判断で佃製作所のバルブシステムを採用することが決まったのです。

 

▼長々とドラマを振り返りましたが、私が注目したいのは財前が発したリスクテイクのくだりです。

 

「これは単純にどちらを信じるかという比較の問題ではありません。リスクテイクの問題です」

 

リスクテイクとリスクヘッジ。一見、混同しがちですが、

リスクテイクは、リスクがあってもチャレンジする挑戦的な姿勢のこと、

リスクヘッジは、できる限りリスクを最小限に抑えようとする姿勢のことです。

 

端的にいうと、前者はリスクに対しての【攻め】の姿勢、後者は【守り】の姿勢と言った所でしょうか。

 

▼最近、弊所の屋号「AID DESIGN」を商標登録したのですが、基本的な考え方はリスクヘッジです。

 

取得するコストや手間こそ掛かりますが、ブランドを法的に自社の財産とし、他社からの攻撃を防ぐためには必要な施策だと考えたからです。

 

私自身、知財に対してこのように考えているので、顧問先さまの屋号や製品は必ずチェックし、未取得であれば逐一お伝えするようにしています。

 

競合が顧問先さまの商標を先に取得したと考えるとゾッとしますから…。

 

もちろん、自社の方が以前から使用していたのであれば“先使用権”が認められることもあります。

 

ただし、それには「需要者の間に広く認識されていること」という要件があり、それを裏づける立証は非常に困難で、先使用権が認められることは非常に少ないというのが現実です。

 

商標を取らないのは果たしてリスクテイクなのでしょうか?

 

気になった方は、下記の特許庁のサイトで一度確認してみてくださいね。

★特許情報プラットホーム(J-PlatPat)h★

 

 

今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

 

〜追伸〜

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