ブランドの価値は全社で共有しないと意味が無い
こんにちは。
夢を目標に変えるブランディングパートナー、エイドデザインの渡部(わたなべ)です。
自社ブランドと社員の一体感、そして社員モチベーションの向上。
最近はこれらを目指してブランディングに取り組む会社が増えてきています。
たとえば、チーム力が命に関わる医療や介護の現場、同じ作業が多い製造業などが挙げられます。
もちろん、その他の業種においても【社員の一体感】と【モチベーションの向上】は会社の業績に直結する重要な課題です。
「毎日が同じ作業の繰り返しでつまらない…」
仕事をしていて、このように感じる人も多いのではないでしょうか?
いわゆる「ルーティン作業」の割合が多い仕事の場合、特にその仕事の意味であったり自分たちの存在価値が時に見い出せなくなることも少なくありません。
そんな時、自社ブランドの在り方や価値、判断基準を明確に決めておくと、社内のメンバーがみな同じ方向を向いて進んでいくことができます。
その結果、社員の意思統一とモチベーションの向上をはかることができるのです。
1. 仕事の価値を知ることの重要性
あなたは人材育成の分野などで語られる機会の多い「3人のレンガ職人」という寓話をご存知でしょうか?
旅人が歩いていると、とある道でレンガを積んでいる職人たちに出会う。
「何をしているのですか?」と職人1人ずつに声を掛けていくと、彼らは次のように答えた。
1人目の職人:「見て分からないのか?レンガを積んでいるんだよ。しんどくて仕方が無い」
2人目の職人:「レンガを積んでいるんだよ。しんどいが家族を養えるのでありがたい」
3人目の職人:「大聖堂を作るためにレンガを積んでいるんだよ。ここで皆が祈りを捧げるんだ。こんな仕事に携われて自分は幸せだ」
取り組んでいることは皆同じ「レンガを積む」という作業に過ぎません。
ところが、その単純な作業に対しての意義や価値を定義することで、ここまでモチベーションが違っているのです。
これは何も寓話の世界に限った話ではありません。
自社(ブランド)が社会に対してどのような価値を提供しているか。
これを知ることで、自分がやっている仕事の意味や意義がクリアになります。
そして、「社会に貢献している」「誰かを元気づけている」「必要とされている」など、社員が仕事の価値を具体的に感じることによって、自分の意思を持って働くというモチベーションも向上します。
それによって、会社全体のチーム力の向上や離職率の低下などにつなげることができるのです。
2. 社員の「ハッピー」が「オールハピネス」につながる
ブランドの確立がもたらすこのようなポジティブな反応は、社員だけではなく、契約社員やアルバイト・パートなどの社内スタッフ、さらにはその家族など、自社に関わる様々な人たちにも連鎖していきます。
想像してみてください。
仕事に対して何のやり甲斐もなく、日々職場に通うパートナーと、働きがい、やり甲斐を持って仕事に取り組むパートナー。
あなたならどちらのパートナーと共に暮らしたいですか?
このことは、ブランドを構築することが単に自社のためだけではなく、ブランドに関わる全ての人たちに「ハッピーをもたらすため」だということの証左ともいえます。
繰り返しになりますが、ブランド構築とは消費者・顧客のみでなく、社員やスタッフ、ステークスホルダ―や周辺環境などの社会全体に利益をもたらす、「オールハピネス」を目指す施策なのです。
3. トップダウンでは意味がない
ただし、経営者が自社ブランドの在り方や価値、判断基準をただトップダウンで下ろしてしまってはカタチだけのものになってしまいます。
簡単にいうと「ブランドに血が通っていない」ので、社員一人ひとりにまで浸透しないのです。
単純に「ブランドとの一体感を持ちなさい」と経営者から指示されたとしても、表面上は従うのかもしれませんが、心から共感して、それを自身のモチベーション向上につなげることができる社員はまずいないでしょう。
新入社員として入社する際、新人研修などでこと細かく自社について学んだ経験のある方も多いはず。
新卒でも中途でも、採用試験では会社の理念などを研究し、頭に叩き込んで臨むため、深く理解しているつもりになるかもしれません。
気持ち新たにやる気に満ち溢れている時には、このように自社について学ぶことがブランドへの一体感を生み、仕事へのモチベーションにつなげることができるでしょう。
しかし、ある程度の年月が過ぎ仕事にも慣れ、忙しい日々を送りながら目の前の業務をこなすようになってくると、次第に自社と自分の一体感が持ち続けにくくなっていくことも事実です。
毎朝の朝礼での理念唱和や全体会議で経営者からの想いを聴く機会があっても、経営に深く関わっていなければ、いまいちその実感が得られず、いつしかモチベーションが低下していきます。
そのため、ブランドのビジョンを社員やスタッフにまで浸透させるためには、トップダウンではなく、ブランドに関わるキーとなる人たちを集め、経営者と直接膝をつき合わせてじっくりと考えていく機会を作っていく必要があるのです。
自分たちがしていること、その先に実現したい明確なビジョン。
自分たちの仕事の価値を一番認めてくれている顧客の存在など、経営者と共にしっかり時間を割いて棚卸しをする。
どのような状態で、何を大切にしていくのか。
この先どのような方向に進んでいくのか、これによってブランドがまるで生き物のように血が通いはじめます。
これこそが、「ブランド構築」です。
骨のいる作業ですが、ここにしっかり向き合うことで、ブランドはいかようにも確固たるものにしていくことができます。
逆説的にいうと、ここをおろそかにしてしまうと、一見勢いで伸びていったとしても安定的に維持していくことは難しくなっていくのです。
「ブランド構築」は、言い換えれば経営者のDNAを社員に理解・浸透させるためのステップなのかもしれません。
今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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<参照>田中洋監修、一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会著 『ブランド・マネージャー資格試験公式テキスト』、中央経済社、2019年
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